女満別空港に降りたあと、道東のどこから回ればいいか迷っていませんか。網走の流氷、摩周湖、知床。名前は知っていても、距離感や季節ごとの制約までは見えにくいものです。
先に結論です。1泊2日なら網走と摩周湖・屈斜路湖、2泊3日なら知床と川湯温泉まで。ただし冬は、摩周第一展望台から川湯へ下りる道が11月2日から通行止めになり、知床峠も越えられません。冬は「通り抜け」ではなく「行って戻る」順番で組むのがこつ。
筆者は道東をバスツアーと車の両方で回ってきました。摩周湖は霧・晴れ・湖面が凍った姿の3回、流氷は2月に砕氷船と車で。どれも10年以上前の旅なので、道路や施設の今の状況は公式情報で確かめ直して書きました。空港からの交通手段は女満別空港アクセスの記事にまとめています。
- 女満別空港から屈斜路湖・摩周湖・知床・網走までの所要時間
- 冬に閉まる道と施設(摩周湖〜川湯、知床峠、知床五湖)
- 1泊2日・2泊3日のモデルコースと回る順番
- 流氷・摩周湖を見に行くときの注意と、車なしで回れる範囲
女満別空港から主な観光地までの所要時間

まずは距離感から。女満別空港は、網走・知床・摩周湖のどこへも2時間以内で届く位置にあります。湖へ1時間、知床へ1時間40分。道東の観光の起点として使いやすい空港です。
| 行き先 | 所要時間 | 手段 |
|---|---|---|
| 網走 | 網走駅前26分/網走バスターミナル35分 | 網走バス(1,050円) |
| 屈斜路湖 | 約1時間 | 車 |
| 摩周湖 | 約1時間10分 | 車 |
| 知床 | 約1時間40分 | 車 |
| かみゆうべつチューリップ公園(湧別町) | 1時間30分程度(約90km) | 車 |
| 滝上町(芝ざくら) | 3時間(約164km) | 車 |
出典:女満別空港公式 交通アクセス(屈斜路湖・摩周湖・知床)/網走バス 女満別空港線(網走)/湧別町観光協会/滝上町公式。2026年10月27日確認。車の時間は冬の路面や天候で延びます。
網走は、空港からバスで網走駅前まで26分の近さ。湖と知床へは、空港でレンタカーを借りて向かうのが基本。バスで回る方法と限界は、後半の「車なしで回れる範囲」の章で紹介します。
冬に閉まる道と施設|摩周湖・知床峠・知床五湖

道東の観光で最初に押さえたいのが、冬の通行止めです。夏に組める順路が、冬にはそのまま使えません。次の表は、2026〜2027年の冬の予定。
| 道・施設 | 冬の扱い | 旅への影響 |
|---|---|---|
| 道道52号(摩周第一展望台〜第三展望台〜川湯) | 2026年11月2日15時〜2027年4月16日10時 通行止め | 摩周湖から川湯へ抜けられない。第一展望台へは弟子屈の市街側から往復 |
| 知床横断道路(国道334号・知床峠) | 2026年11月4日16時〜2027年4月下旬(予定)終日通行止め | 知床はウトロ(斜里側)まで。羅臼へは峠を越えられない |
| 道道588号(津別峠) | 2026年11月2日10時〜2027年5月21日10時 通行止め | 屈斜路湖へは美幌峠の国道を使う |
| 知床五湖 | ガイドなしで地上遊歩道を歩けるレクチャーは11月8日まで。冬は道路が閉じ、登録ガイドの冬のツアーでのみ入れる | 冬に個人で湖畔は歩けない |
| 摩周湖第一展望台・硫黄山の駐車場 | 11月〜翌4月は料金所が休業し、駐車は無料 | 夏は乗用車500円(2か所共通) |
出典:摩周湖観光協会「令和8年度における冬期通行止めのお知らせ」(2026年10月7日掲載)・摩周エリア・硫黄山/羅臼町公式(2026年10月16日掲載)/知床斜里町観光協会/知床五湖公式。いずれも予定で、変更される場合があります。2026年10月27日確認。
いちばん効くのは、摩周湖と川湯をつなぐ道の通行止め。夏なら「屈斜路湖→川湯→摩周湖の第三展望台→第一展望台」と1本の道で回れます。冬は第一展望台が行き止まりになるため、川湯から摩周湖へ向かうときは弟子屈の市街まで回り込む必要があります。
美幌峠の道の駅は、冬(11月〜4月下旬)は17時で閉まります(夏は18時)。冬の道東は日が短いので、峠や展望台は明るい時間に寄る計画が無難でしょう。
出典:道の駅ぐるっとパノラマ美幌峠(2026年10月27日確認。テナントの営業時間は店ごとに異なります)。
1泊2日のモデルコース|網走(流氷)と摩周湖・屈斜路湖

ここから紹介する2つのコースは、空港でレンタカーを借りる前提です。公式の所要時間をもとに組んだ順番で、筆者が通しで走った行程ではありません。
初めての道東で1泊2日なら、空港で車を借りて網走に泊まり、2日目に湖を回って空港へ戻る組み方がおすすめ。2日目は、空港まで車で約1時間10分の摩周湖で湖めぐりを終えます。最後の区間がはっきりしているので、空港へ戻る時間を読みやすい順番です。
| 日 | 回る順番 | 冬(1〜3月)のポイント |
|---|---|---|
| 1日目 | 女満別空港(レンタカーを借りる) → 網走(観光) → 網走泊 | 砕氷船おーろらは1月20日〜3月31日の運航 |
| 2日目 | 網走 → 美幌峠 → 屈斜路湖 → 摩周湖第一展望台 → 女満別空港 | 摩周湖は第一展望台で折り返す。美幌峠の道の駅は17時まで |
冬の主役は、網走の流氷観光砕氷船おーろら。大型船で約1時間、大人7,000円です(2026年冬から改定後の料金)。2月は1日5便あり、出航の約20分前までに乗船手続きを済ませます。流氷が岸に近づくのは、運航会社の案内では1月下旬ごろからです。
気をつけたいのは、流氷がない日の扱い。運航会社の案内では、流氷がないときの大型船は能取岬までの海上遊覧になり、小型船のおーろら3は運休します。
11月から1月中旬は、おーろらの運航(1月20日〜)が始まる前の時期。この時期に流氷は主役になりません。1日目は網走の観光施設を公式サイトで調べて組み立ててください。
車で回ったときは、網走の観光地ではない海岸まで足を延ばして流氷を見ました。砕氷船の乗り場で見られない日も、場所を変えれば出会えることがある。これは車ならではの利点です。一方でバスツアーは、運転の心配なく観光地をのんびり巡れるのがよいところでした。
網走ではなく北見に泊まる組み方も。筆者は冬に車の旅で北見に泊まり、夜は北見名物の焼き肉を食べました。空港から北見へのバスは女満別空港アクセスの記事で紹介しています。
出典:流氷観光砕氷船おーろら 料金・時刻表・冬の醍醐味・流氷観光(運航期間のページに年の表記はありません。2026年10月27日確認)。
2泊3日のモデルコース|知床・川湯温泉まで広げる

2泊3日あれば、知床と川湯温泉まで回れます。順番は「知床→網走→川湯・摩周湖」。空港から遠い知床を初日に済ませ、最終日は空港まで車で約1時間10分の摩周湖で締める組み方。空港へ戻る時間を読みやすくなります。
| 日 | 回る順番 | 季節の注意 |
|---|---|---|
| 1日目 | 女満別空港(レンタカーを借りる) → 知床(ウトロ) → ウトロ泊 | 知床五湖は11月8日ごろまで。冬は峠を越えられない |
| 2日目 | ウトロ → 斜里 → 網走(観光) → 川湯温泉泊 | 冬は網走でおーろら(1月20日〜) |
| 3日目 | 川湯 → 硫黄山 → 屈斜路湖 → 摩周湖第一展望台 → 女満別空港 | 冬は川湯から摩周湖へ直接上がれず、弟子屈の市街を回る |
夏(知床五湖の開園中)は、1日目に知床五湖を歩けます。斜里町観光協会の案内では、ガイドなしで地上遊歩道を歩ける期間は8月1日〜11月8日で、有料のレクチャー(大人450円)を受けてから入ります。湖を高い位置から眺める高架木道なら、手続きは不要。春から夏のヒグマが動く時期は、地上遊歩道に入れる条件が変わるため、知床五湖の公式で確かめてください。
冬の知床は、ウトロが行き止まりです。知床五湖へ続く道も閉じるので、ウトロでは流氷を見るツアーや温泉を目的にした滞在になります。冬に知床へ行くなら、宿でゆっくり過ごす日と割り切るのが現実的。
出典:知床斜里町観光協会(知床五湖のレクチャー期間と料金)/知床五湖公式。2026年10月27日確認。
摩周湖は天気で別の湖になる|霧・晴れ・凍結の3回

「霧の摩周湖」という言葉どおり、霧で見えないと思われがちな湖。ところが摩周湖観光協会によると、霧が出るのは夏が中心で、春・秋・冬は多くありません。夏以外の季節なら、日中に4時間以上湖面が見える日が平均7割を超えるとされています。
同じ展望台でも、天気でまったく別の景色になる。これが摩周湖の面白さです。霧の日に当たっても、季節を変えて訪ねれば違う姿に出会えるかもしれません。
冬に行くなら、展望台は第一展望台だけと考えてください。第三展望台へ続く道は11月2日から閉じます。第一展望台の駐車場は、冬(11月〜翌4月)は無料。
出典:摩周湖観光協会 摩周エリア(霧の季節・湖面が見える日の割合・駐車場)。2026年10月27日確認。
春に行く花の名所|かみゆうべつチューリップ公園

春の道東を車で旅するなら、湧別町のかみゆうべつチューリップ公園も候補です。女満別空港からは約90km、車で1時間30分程度。花の時期は春(例年5月ごろ)です。
同じ時期に咲く花の名所に、滝上町の芝ざくらもあります。ただ、滝上は女満別空港から約164km・3時間かかり、オホーツク紋別空港寄り(車で約50分)の場所。女満別から日帰りで寄るには遠いため、本記事では芝ざくらはおすすめの順路に入れていません。
開花の時期は年によって前後し、フェアの期間や入園料も年ごとに発表されます。出かける前に湧別町の公式サイトで確かめてください。
出典:湧別町観光協会 アクセス・ゆうべつチューリップフェア(2026年は5月1日〜31日)/湧別町公式 かみゆうべつチューリップ公園/滝上町公式 アクセス。2026年10月27日確認。
車なしで回れる範囲と限界|網走バス・知床エアポートライナー

運転しない人でも、網走と知床へは空港から路線バスで行けます。一方、屈斜路湖・摩周湖・美幌峠は空港から直接行ける路線バスがありません。湖を回るなら、レンタカーかバスツアーのどちらか。車なしの1泊2日なら、網走を中心に組むのが現実的です。
| 行き先 | バス | 所要・運賃 |
|---|---|---|
| 網走 | 網走バス(飛行機の到着に合わせて発車) | 駅前26分・1,050円 |
| 流氷砕氷船のりば(道の駅) | 網走バス(おーろらの運航中のみ) | 1,150円 |
| 知床(ウトロ) | 知床エアポートライナー(夏6〜9月・冬1月中旬〜3月上旬の季節便) | 約2時間15分・冬4,000円/夏3,500円 |
知床エアポートライナーが走らない時期(10月〜1月中旬、3月上旬〜5月)の知床行きは、網走バス・JR釧網本線・斜里バスの3本の乗り継ぎ。空港からウトロまで4時間〜4時間半かかるため、この時期の知床は車のほうが動きやすい手段です。知床エアポートライナーは飛行機が遅れても予定時刻に出発するため、遅れが心配な日は網走経由の乗り継ぎも頭に入れておきましょう。
時刻・乗り場・Web乗車券の買い方は、女満別空港アクセスの記事で詳しく書いています。
出典:網走バス 女満別空港線(時刻表 2026年10月25日〜11月30日・運賃表)/斜里バス 知床エアポートライナー(冬ダイヤ 2027年1月16日〜3月7日、夏ダイヤ 2026年6月1日〜9月30日。2027年夏の運行は未発表)。2026年10月21日確認。
冬に車で回るときの注意と車選び

冬の道東を車で回るなら、4WDとスタッドレスタイヤが付いた車を選んでおくと安心です。女満別空港の5社を調べると、4WDが標準の会社と追加料金で付ける会社の2通り。補償を含めた冬の総額と、網走で返せる会社は女満別空港レンタカー5社の比較記事にまとめています。
注意したいのは、閉店時刻と日没。空港のレンタカー会社は18〜20時に閉まり、美幌峠の道の駅も冬は17時に閉まります。冬は「明るいうちに次の宿へ着く」を基準に、1日に回る場所を絞るのが無難です。
摩周湖〜川湯、知床峠、津別峠は冬に通れません。カーナビの案内をうのみにせず、通行止めの区間を出発前に地図で確かめておきましょう。
帰りに釧路空港から飛ぶ旅も組めます。女満別空港から釧路空港までは車で約3時間。どちらの空港に降りるか迷うなら釧路空港と女満別空港を比べた記事を、阿寒湖・釧路湿原など釧路側の行き方は釧路空港アクセスの記事をどうぞ。
冬の道東は4WDの有無と閉店時刻で会社の選び方が変わります。日程を入れて複数社を見比べられます
よくある質問
Q. 女満別空港から日帰りで観光できますか?
A. 網走なら駅前までバスで26分なので、日帰りでも回れます。屈斜路湖(約1時間)と摩周湖(約1時間10分)も車なら日帰りの範囲。知床は片道約1時間40分かかるため、1泊できると余裕が出ます。
Q. 冬でも摩周湖は見られますか?
A. 第一展望台なら冬も見られます。第三展望台と川湯へ抜ける道は、2026年11月2日から2027年4月16日まで通行止めの予定。冬は弟子屈の市街側から第一展望台へ往復してください。
Q. 2月に行けば流氷は必ず見られますか?
A. 必ずではありません。筆者も2月に砕氷船に乗って、流氷が見られなかった年があります。流氷がない日のおーろらは、能取岬までの海上遊覧になるとのこと。日程に余裕を持たせると、見られる可能性が広がります。
Q. 冬に知床五湖へ行けますか?
A. 個人では行けません。冬は知床五湖へ続く道が閉じ、登録ガイドが案内する冬のツアーでのみ入れます。夏から秋(11月8日ごろまで)に訪ねるのが基本。
Q. 車がなくても回れますか?
A. 網走と知床(ウトロ)はバスで行けます。屈斜路湖・摩周湖は空港から直接のバスがないため、バスツアーかレンタカーを使うことになります。
まとめ
女満別空港は、網走・知床・摩周湖のどこへも2時間以内で届く道東観光の起点です。1泊2日なら網走と湖、2泊3日なら知床と川湯温泉まで。冬は通れない道が増えるため、季節で順番を組み替えます。
- 冬の通行止め:摩周湖〜川湯は11月2日から、知床峠は11月4日から。冬は「行って戻る」順番で組む
- 流氷:おーろらは1月20日〜3月31日の運航。流氷が見られない日もある
- 移動手段:網走・知床はバスでも行ける。湖めぐりは車かバスツアー
摩周湖は霧で見えないものと思い込んでいましたが、3回通って見えたのは霧・晴れ・凍結の3つの姿でした。流氷に会えなかった年もあります。それでも、天気しだいで景色が変わるのが道東の旅の面白さ。季節の制約だけは先に確かめて、自分の日程に合う順番を選んでください。
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